初めてお店を開業するなら、よほど金銭的に余裕がある場合を除いてできるだけ費用を安く済ませた方が安心になります。なぜなら、初心者が開業をすると、予期せぬ出費が伴う可能性があるからです。下手をすれば、開業後すぐに経営が苦しくなる可能性もあるかもしれません。
そこで、開業費用を安く済ませる方法として居抜き物件を利用する方法があります。居抜きとは、設備や備品などが備えつけてある物件のことです。居抜きを利用する場合は、前のテナントを借りていた人が営んでいた職種と同じか、その職種に近い物を選ぶべきでしょう。
例えば、前の借主がラーメン屋を開業していたとすれば、ラーメンを開業したい人か、それに近いお店を開業するべきです。その方が、設備や備品を有効に活用することができるからです。

テナントを退去するときのメリット

開業するに当たり、すでに設備や備品、造作が揃っているのが魅力的ですが、実は、退去するときも借主にメリットがあります。通常は、入居のことは考えても退去のことまで考える人は少ないはずです。
居抜き物件は、退去する時にお金がかかりにくいのが特徴です。通常の物件であれば、テナントを退去するときにはテナントスケルトンの状態にしなければなりません。テナントをスケルトンにするには、それだけお金がかかることを意味します。解体業者にお願いをして、解体をしてもらいますが、その時に数十万円単位のお金がなくなることもあります。
ですが、居抜きは設備や備品をそのままにしておくだけでなく、造作等も手を加えずに退去をしても構いません。もちろん、契約によっては手を加えなければならない部分もあるかもしれませんが、それでも大幅に出費を減らすことができます。

契約の内容をよく確認しておくこと

お店を開業するために居抜き物件を借りる場合、注意点がいくつかあります。一つは、設備や備品の使い方についてです。設備や備品は通常前のテナントを借りていた人がそこに置いていったため自由に使っていいのが基本になります。
ところが、設備や備品の中にも高価なものが含まれています。例えば飲食店で使うような大きな冷蔵庫などは安いものではありません。前の借り主が高いお金を出して購入したかもしれません。この場合、前の借り主はその冷蔵庫をおいて行くかわりに賃料をとる契約になっていることがあります。事前に契約をよく確認して、お金が発生するものがないか注意しましょう。
もう一つは、お店を引きずることは前のお店の評判も引き継ぐことになります。まったく前と違う店であれば関係ありませんが、似たようなお店の場合は、前のオーナーと違うことをアピールしましょう。